よくある質問
Q1. 製作・補修にあたって必要なものは何でしょうか?
拵に向き合うには、どんなふうに作りたいか、直したいか、という気持ちが一番大事です。それには多種多様な昔の拵を参考に自分にあった拵を見つけ、その技術を模倣する目を養うことです。教室には拵に関する書籍写真や資料が揃っています。また教室で作られた作品、見本が見られます。必要な道具など、教室には工具類はすべて揃っていて消耗品とともに自由に使えます。全て会費に含まれています。製作に使う金物類や特別な材料は各自で用意していただきます。
Q2. 教室と知心流とはどういう関係でしょうか?
もともと
知心流という剣術道場の門下生が、稽古での鞘の不都合や柄の違和感などを直すために知心流事務局に工房が設置されたのが始まりでした。10 年以上の実績からこの知識をもっと広く役立てようと、門下生だけでなく誰でも簡単にできる教室として、刀の愛好者や剣の修行をされている方々に開放しました。いろいろな流派の方も来られています。
Q3. 自作する自信、時間がありません。全てお任せで拵え製作・補修を受けてもらうことは可能ですか?
あくまでも自分で作る、直す、そのための教室です。相談や技術的なお手伝いはいくらでも致します。出来上がっていく過程は楽しいものです。夢中になります。教室は個人指導です。先祖の刀や愛刀の拵を自分の手で作ることに挑戦してみませんか?とは言え、ご事情のある方には相談の上、製作の依頼を受けることもしばしばあります。遠慮なく相談してみてください。
Q4. 今使っている刀の鍔や金物を変えることはできますか?
柄から刀身が外れる刀なら対応できます。真剣は問題ありませんが、模擬刀などは注意書きに柄から外してはいけないと書かれたものもあります。素人は外さないほうがいいかもしれません。鍔を変える場合、そのままでは安全面で支障をきたします。ガタつかないように埋め金や切羽で調整して、最後に目釘の確認が必要になります。また縁頭や目貫などの入れ替えは柄糸の巻き直しが必要になります。一度刀をご持参のうえ相談ください。初回相談は無料です。
Q5. 稽古で使う居合刀の鞘が割れてしまいました。何回くらい通えば直せますか?
鯉口の角(水牛)か樹脂の部分も割れていると思います。応急には木に接着剤で凌ぎ、本格的には水牛で作ることをおすすめします。3回ぐらいで鯉口の角補修はできます。更なる補強には糸巻、皮巻、籐巻、漆固めなどの方法があります。
Q6. 長年の稽古で、柄の中で刀が動くようになりました。直りますか?
原因は2つ考えられます。柄の茎合わせが打撃や稽古で隙間ができている場合と、目釘の損傷があります。いずれも刀を振るには危険な状態です。一日で直ります。
Q7. 古い刀があり外装が剥げています。塗りに挑戦したいのですができますか?
時代ものでしたら漆で製作されたものだと思います。擦れや剥がれ具合にもよりますが、まずは基本の漆塗りの練習から始め、慣れてきたらその刀に挑戦してください。変わり塗などでしたら難しいかもしれませんが手伝います。頑張ってみてください。
Q8. 逆さにすると刀が鞘から抜け落ちるくらい緩んでいます。直し方を教えてもらえますか?
江戸時代は鯉口が緩く刀の刃が抜けそうな状態はあってはならないとされていました。刀の刃を不用意に見せると切腹ものとして慎んだものです。現代の鞘は気候(湿度)の変化で鞘の鯉口は緩くも固くもなります。昔ながらの直し方を指導します。1日です。
Q9. 居合刀の柄を太くしたいのですができますか?
できます。今のものを加工して糸の巻き直しになります。また、長さの変更があれば木地から作ることになります。木地、鮫肌、巻きにかかる技術の習得には少し時間がかかります。
Q10. 鞘の塗り替えをしたいのですが、簡単にできますか?
本来鞘塗は大昔から漆を使用してきました。当教室でも本格的にされる方は漆塗に挑戦しています。漆は人によりかぶれることもあります。かぶれない”代用うるし”で塗る方法も指導します。艶出し、石目塗、変わり塗など昔のものを参考に挑戦してください。塗るのは簡単ですが、仕上がりが満足するように何度も塗りと研ぎの繰り返し作業です。
Q11. 白鞘に入った刀があります。全くの素人ですが、拵を全て作るにはどれだけの時間がかかりますか?
教室にいた研究生で、初心者でしたが一年半で朴の木の加工から塗り、柄巻きまで大体格好がつくようになりました。月に3 回から4回通い、家での作業では電話でも質疑を重ねていました。拵に限らず工芸の世界は探求心と美を追求すると一つの技術だけでもきりがなく奥深い世界です。この教室は趣味で楽しむことを大事にします。時には本格的な工程を省き、半既製品の部品を使い代用漆塗りなどで作ることもあります。一年もすれば一通り覚えられます。